与えることは優れた能力です。でも多くの人はそれを経営において実践しません。

 

与えることの素晴らしさ

私は幼い頃から与える素晴らしさを父の姿から学んでいました。高度な技術など必要ではなく、常識に従えばいいのです。種を蒔けば蒔くほど、刈入も多くなると言われるように、父が時間、お金、物を他人のために見返りを得ず与え、人を惹きつけていくのを見てきました。贈り物をする、差し上げるという発想は、私がONE.99shopを始めるきっかけにもなりました。後に、私のギフトショップであるU-neekでビジネスとして発展させることが出来ました。

 

心を込めて与えるには

与えるという行為は心がこもっていなければなりません。私はお店にありとあらゆる商品を並べ、お客様が適切なギフトを選ぶチャンスを増やしたいと思いました。私が欲しいものではなく、消費者が欲しいと思うもの、しかもリーズナブルな値段のものでなければなりません。その当時、品質の良いものは安い価格で提供されていませんでした。そこで、これをビジネスにしたら消費者の心をつかめるのではないかと考えたのです。それが、ONE.99shopの始まりです。

では心のこめて与えるにはどうすべきなのでしょう。ロボットのような行為ではなく、自然に行うものでなければなりません。ある夜私は職場からいつもよりも遅く帰ってきました。真夜中を過ぎていましたが、カラングニ(廃品回収)のおばさんがゴミを集めながらまだ働いているのを見つけました。私の心は彼女のことで一杯になり、彼女と話を始めました。彼女は50代で4人の子供を育てており、そのうちの一人は知的障害者でまた別の子は教師をやっていて、未だに段ボールを集めて生計を立てているのだと言いました。私は以前にも彼女を見かけたことがあり、その時も私は遅くまで仕事をするので家に帰るのも遅くなってしまうと話をしていました。この夜はポケットに1,000ドル札が入っていたので、私はそれを彼女に渡しました。気前がいいということを言いたかったのではなく、貧困に苦しんでいる人たちの存在に考えをめぐらせることも必要ではないかということを伝えたかったのです。私が事業を経営する一方で、数セントを稼ぐのに段ボール箱を何マイルも歩いて集めて生計を立てている人もいるのです。

この与えることの大切さを私のスタッフにも伝えたかったのです。そのため毎月私はマネージャーにスタッフに賞を与える権限を与えました。何らかのパーティーを開くとき、スタッフには景品が配られました。スタッフは150人もいる時があったのですから、ただならぬ出費になります。

 

見返りを求めて与えた、その先に

見返りを求めて与えることもあります。ONE.99shopを開店した時、ヒーレンモールには数店舗しか店が入っていなかったので、お客様を惹きつける戦術が必要でした。私は何か一品買ってくれたお客様にもう一品タダでプレゼントするクーポンを配るというアイデアを思いつきました。クーポンを配るためにスタッフを町に行かせたところ、このアイデアは大当たりでした。一度来たお客様がその友人や家族を連れてきてお店は繁盛しました。11か月で売上は350万ドルにもなりました。数年後、郊外のモールにも店舗を開きました。そこで最初の週に稼いだ全額1万6,000ドルを身体に障害のある方のためのチャリティーに寄付しました。

与えるということは、私の性格の一部です。それをビジネスや私がすることすべてに取り入れることにしました。友人の誕生日や特別な日にプレゼントを渡すこと以外にも、社会、特に恵まれない子供達、お年寄り、教会に寄付をすることは、私にとっては道徳的義務です。

私の親しい友人の亡くなったダイアナ・ヤングからも与えることについて学びました。彼女はとても気前のいい女性で、貧しい人や弱い人の味方でした。

 

与えるのはお金だけでない

2001年にダイアナと出会ったとき、私はASME(中小企業援護協会)のメンバーで、ダイアナは会長でした。マレーシアのジョホールバルにイベントで行ったとき、ダイアナは新聞で読んだひき逃げ事件の犠牲者を訪ねようと決めていました。実際に彼に会うとダイアナはとても感動して、自分のお金から2万マレーシアリンギットを渡しました。彼女は、忙しい実業家でも恵まれない人を助ける時間を持つことが出来るという良いお手本です。エリン・チューという友人は、金銭面だけの援助ではなく、問題を起こした若者たちを更生する援助に貴重な時間を費やしています。エリンはこの若者たちをとても大切に思っていて、その援助を若者への投資だと考えているのです。時には援助している子供が更生せず後退してしまい悲しい思いをすることもありますが、彼女のモットーは誰にでも必ずチャンスを与えることです。

 

私たち起業家は、警察や看護師のような社会貢献のプロではないかもしれませんが、仲間の起業家に、もっと社会に貢献するよう促すことや、利益を共有するよう促すことはできます。

私は今技術学校や短期大学などの学校や教育機関、シンガポール金融管理庁や最高裁などへ行き、ビジネスや経営について講演をする時間がたくさんあります。これから起業しようと思っている人達を助け励ますのに私の時間と労力を費やし、貢献できることにとても満足しています。この満足が私への報酬です。

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